表現集団蘭舞 脚本

ここは表現集団蘭舞の代表が執筆した小説風の短編脚本を掲載するブログです。

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当ブログは
「表現集団蘭舞」の代表が執筆した小説風の短編脚本を掲載しています。
カテゴリにある作品名からお好きなものを選んでお読み下さい。


尚、表現集団蘭舞の本サイトは以下になります。
もし宜しければ覗いていって下さいませ。

表現集団蘭舞
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⑦ココロアバイテ~美春の憂鬱~

「お疲れ様、美春さん」
「お疲れ様です、風見さん」

風見さんとグラスを合わせる

ここは、前回逃げてしまった高層レストラン
今日は美味しく味わってしまう気満々です

「美春さんから声かけてくれるとはちょっと驚きましたよ。」

うん、赤ワインおいしい

「そうですか?」
「いや、その、僕、嫌われちゃったかなぁ…と思ったので…」

風見さんは苦笑いを浮かべる
収録中のキリッとした表情とは全然違う
年相応の彼の表情
なんだか可愛いなぁ、と思う

「いえ、こちらこそ、あの日はちょっと色々あった時期で…ご迷惑おかけしました」
「いえいえ!今は収録もバッチリですし!よかったです!なんていうか…愛されてる感じがします」

彼は顔を赤くする

「あ!勿論役の上でですよ!」

私は思わず笑ってしまう

「はい、ありがとうございます風見さん」
「はは…さ、食べましょうか」

風見さんは食事に手をつける
私も前菜を食べようかな
年上らしく、上品に食べないと!

………

うまっ!
うまっっ!!
私は夢中で食べる
食べる食べる食べる!
なるべく品良く、ね

「何か、いいことでもあったんですか?プライベートで?」

私はフォークをおく
できるだけ優雅に、と

「やめたんです。恋愛に宇鬱を抜かすの」
「うわぁ、その台詞いいですね。今度僕も使ってみようかな」

ふと、伴君の顔を思い出す
まだまだ過去にはなってくれない
私は彼のことがまだまだ好きなのだ
でもそれでいいんだと思う

「一から出直しです。何もかも」
「うん。そんな感じがします。吹っ切れたような、いい表情してますよ、最近の美春さん」

風見さんが真っ直ぐ私をみる
負けじと私を見つめ返す
もう眼を反らすのはやめるんだ

「多分想い出にかわることができたら、また恋するんだと思います。私、これからいい女になりますから!最終回までよろしくお願いしますね!風見さん!」

風見さんが目をそらす
あ、勝ったw

「参ったな…もっといい女になっちゃったら他の男がほっとくわけ…」
「どうしました?」
「いえ、こっちの話し!」

風見さんは今日きっと調子悪いんだな
よし、今度お姉さんが相談に乗ってあげよう
うんうん

私はきっとまた恋をする
もっといい女になって
素敵な殿方と


おしまい
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①ココロアバイテ~美春の憂鬱~

(冴えない人だな)

それが私が彼に抱いた第一印象だった

私は雨宮美春
所属する「劇団内股テニス部」に新メンバーが増えることとなった

伴君という年下の男の子
演技は初心者で棒読みレベル
ださいジャージに眼鏡姿

みんなが苦い顔をする中
座長の城之内さんは満面の笑みだ

「まぁまぁ~これから上達していけばいいんだよ~。期待してるよ~伴君!」
「はい!芝居が大好きなんです!俺頑張ります!」

(好きなだけじゃ通用しないんだよ)

私は溜息をつく

まぁ、仕方ないかもしれない
劇団内股テニス部は人数不足なのだ

「よーし!じゃあ来月頭にでも美春君と発表会をしてもらおう!」

…は?
無理無理無理無理!!!
こんな冴えない人と二人芝居なんてぜっっったい無理!

「いいわね!二人の作り出す世界!妄想しちゃうわ~」

ちょっと!菊池さん!副座長でしょ!興奮してないで止めてください!!!

「確かに、美春の成長にもなるかもね…」

納得しないでください中村さ~ん

「お~うらやましいな~ラブラブヒュ~」

小山ぶっ殺す

「さぁ美春君!やってくれるね!」

城之内さんが三回転ひねりからビシッと私を指さす

うぅ、みんなの期待の眼が集まってる

「はい、頑張り、ます」

途端歓声に包まれる
はぁ、なんでこんなことに…

「よしよーし!じゃあ今日は二人の自主稽古の時間にしてあげよう!じゃあ他のみんなは解散~」

わらわらとみんなは帰っていく
伴君と二人になった

「あの、よろしくお願いします美春さん!」

ださいジャージ姿に眼鏡姿
冴えない顔つき

「うん、よろしくね」

私は再び溜息をついた
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②ココロアバイテ~美春の憂鬱~

「もういいよ、別れよう」

彼氏、だった人はめんどくさそうにそう告げた

「もともとキープだったし。お前さ、重いんだよ」

私は俯くことしかできない
浮気をやめてほしいと訴えたところ
どうやら浮気相手は私のほうだったらしい

私は、馬鹿だ…

彼は私の頬を叩いた
「うじうじしてんじゃねぇよ。気持ち悪いな。」

頬がジンジンと痛む

「ごめん、なさい」
「さっさとでてけよ」

「…うん」
私は慌てて荷物をまとめる
ドアを開けたところで彼は私を蹴っ飛ばした
その勢いに私は転んでしまう

「じゃあな、ブス」

扉が閉まった

私は、扉を呆然と見上げる
ふと、涙が溢れた

「帰らなきゃ…」

私は立ち上がる
背中と頬が痛い…
多分いま私はひどい顔をしてるだろう

それでも帰らなきゃ

泣きながら、私は夜の道を歩く

なぜ、こんなことになってしまったんだろう…

彼は不器用だった
そんな彼を支えたいと思った
何度も好き、って言ってくれた

でも、彼の言葉は、
全部嘘だったんだ…

悔しくて涙がまた溢れてくる
私は座り込んでしまった

「美春さん?」

私は声の主に目をむける
そこにいたのは昼間のさえない男だった
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③ココロアバイテ~美春の憂鬱~

伴君の手は温かった

どうやってこの部屋にきたか覚えてない
ボロボロの私を、伴君は放っておけなかったんだろう

それにしても
伴君の部屋は汚い

お風呂を借りておりてなんだけど…
入るかどうかかなり躊躇った

借りた服も、センスがない

はぁ…
なんだか踏んだり蹴ったりだな…

でも、手を引っ張ってくれた時のあの感触だけは…
いまでも温かく残ってる…

「美春さん、コーヒーどうぞ」

伴君が目の前に座る
私は出されたコーヒーに口をつける

うえ、水みたいに薄い…

「伴君…」
「はい?」
「君、ダメダメだね!」

思わず言ってしまった

「あ、あれー。なんでだろー。大さじ一杯って書いてあった通りにやったのにー。あ!大さじってひとつまみのことじゃないんかー!」

伴君はオロオロしている
その様子に、私は笑った

伴君もつられて笑う

「部屋だって汚いし!服もダサいし!よくこれで女の子連れ込もうと思ったね!馬鹿でしょ!ダメダメ男でしょ!」
「だ、だって、急だったから、準備してなくて…」
「言い訳しない!このダメダメ男!」
「うぅ~、そんな~」

伴君の落ち込んでる様子が可笑しくて
私はしばらく笑い続けた

こんなに笑ったのは久しぶりだった

ふと、現実にもどり
伴君の目をじっと見る

「ねぇ、どうして何も聞かないの?」

伴君の目が変わった
真剣な目つき

「それに襲ってもこないし。私ってそんなに魅力ないのかな…」

私は目をそらした…
伴君の目を見ていられなかった

「ありがとう優しくしてくれて。でももういいよ。私、伴君に優しくされる理由ないから」

帰ろう…
そう思って立ち上がろうとした

「…仲間だから」

…え?
私はきょとんとした顔で伴君を
見上げた

「美春さんが心配なんです。…それじゃ、駄目ですか?」

まっすぐな目

「こないだの初舞台、俺感動しました。初心者でもあんな熱演が出来るんだって…勇気をもらえたんです」

あれは、ただ、がむしゃらだっただけで…

「だから、俺、美春さんと一緒に芝居をやりたいんです」

伴君が私の手を掴む
ちょっと痛いけど…温かい…

「何かつらいことがあったら、なんでも相談してくださいよ。もう俺も、内股テニス部の仲間なんだから」

あぁ、そうか…
まっすぐなんだ
伴君はどうしようもないくらいにまっすぐな子なんだ

なんだか
落ち込んでる私が馬鹿みたいだ

「伴君!稽古しよう!」
「え?いまからですか?」
「そう!今夜は寝ないで特訓だよ!」

私は笑った
これがきっかけだったと思う

私は彼に惹かれていき
すぐさま恋に落ちた
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ご挨拶

初めまして、「表現集団蘭舞」代表の花田真太郎です。 楽しんで頂けたら幸いです。

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